「道具は、使われて初めて生きる。」
毎日の暮らしに自然となじみ、
手に取るたびに、木の温もりを感じる。
そんな道具を、ひとつひとつ手作りしています。
自己紹介
木工科の訓練校で基礎を学び、
その後、個人の無垢家具工房(遊樹工房・コサカクラフト)にて実践的な技術を身につけました。
それらを経て2023年より、埼玉県川越市にて「石賀木工」として活動しております。
1992年 三重県にて産まれる
2018年 「川越技術専門学校 木工工芸科」に通い始める。それと同時に、埼玉県東松山市にある「遊樹工房」に弟子入りをして、木工の腕を磨く
2021年 木工家のためのブログ「べしゃり系木工」を開設
2022年 埼玉県飯能市にある「コサカクラフト」で木工の応用技術を学ぶ
2023年 埼玉県川越市で「石賀木工」を開業する
作っているもの
キッチンツールなど、食卓に寄り添う木の道具を中心に製作しています。
食事とは、
老若男女を問わず、
好き嫌いに関係なく、
生きている限り向き合い続けるものです。
そして歳を重ね、身体が衰え、記憶が薄れていっても、食べることだけは変わらず楽しむことができる娯楽なのです。
そんな大切な食事は、人に寿命がある限り、
一生での食事回数は決まっているし、一食での食事量も減っていきます。
だからこそ
一回一回の食事の質をあげることができたなら、人生はより豊かになっていくはず。
そんな考えから、
食卓の「美味しいね」をそっと支える木の道具を真心込めて作っています。
家具職人から小物職人へ
もともと私は、家具職人として木工の世界に携わってきました。
独立する時も、当然のように家具屋としてやっていくつもりでした。
そんな私の道を変えたのは、
「このスプーンを使うと、食事が変わるよ。」
「現役の頃、評判も良かったんだ。」
そんな言葉とともに手渡された一本のスプーンでした。
正直なところ最初は、
「スプーン一本で食事が変わるなんて、そんなわけない」
と思っていたのです。
けれどそのスプーンを口に運んだ瞬間、
意図せず笑顔がこぼれました。
咥え込んだ時の違和感のなさ、
すっと抜ける時の心地よさ。
気づけば夢中でスプーンをむしゃぶりつくしている自分がいたのです。
この体験からスプーンの魅力に取り憑かれ、
家具から食卓に寄り添う小物づくりへと転換したのです。
作り手の想い
木製品は、
やさしい温もりを持ちながら、
無理をすれば、壊れてしまう繊細さも持っています。
この個性は、
手にする人に物を大切にする心もそっと育んでくれる気がします。
また使い続けるうちに、少しずつ味わいが増していくのも木の魅力のひとつです。
では、長く大切に使ってもらうには?
それは、ただ綺麗なだけではなく、
つい使いたくなる楽しさが必要だと思っています。
だからこそ、私が作るものは、
華やかに飾る芸術品ではありません。
——日々の生活で、何度も使ってほしい「道具」なのです。
そんな機能美をまとった道具たち。
作るのは私ですが、育てるのはあなたです。
小さな傷も、色の変化も、そこに積み重なる思い出も、
それは、あなたが少しずつ刻んでいくのです。
食卓に置かれた木の道具が、
何気ない日々に、ささやかな彩りを添えていく。
そんな小さな積み重ねがきっと、あなたの人生を少しでも豊かにしてくれる。
私の道具がその一片になれたら、
こんなに嬉しいことはありません。